システム運用保守とは?
目的や業務内容、保守との違いについて解説

 株式会社エスエーティ

システム運用保守は、システムの安定的な稼働のために不可欠な業務です。しかし、具体的な業務内容や目的についてあいまいな方も多いのではないでしょうか。この記事ではシステム運用保守の意味をはじめ、システム運用とシステム保守の業務内容の違いについて解説します。さらにシステム保守に有効な「第三者保守」について紹介します。
システム運用保守とは? 目的や業務内容、保守との違いについて解説

システム運用保守とは

システムはサーバーやネットワーク、ストレージ機器の物理的な実物を指すハードウェア、機器の内部で動くプログラムであるソフトウェアなどから構成されています。

システム運用保守とは、このようなシステムを構築しているITインフラを日々維持・管理し、故障や不具合が起こった場合には速やかに復旧作業を行うなどして、システムの安定稼働を守る業務のことです。いまや私たちの日常生活のいたるところでさまざまなシステムが使われているため、システム運用保守は欠くことのできない業務となっています。

また、企業にとっても万全なシステム運用保守体制を整えることは、自然災害による停電やハードウェア・ソフトウェアの故障や不具合といったトラブル、サイバー攻撃などあらゆる脅威に備えるために非常に重要です。

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システム運用とシステム保守の違い

システム運用保守は「システム運用」と「システム保守」という業務を兼任する意味で使われる言葉です。システム運用とシステム保守はともにシステムの安定稼働を目的とした業務ですが、両者には目的達成に向けたアプローチに明確な違いがあります。

システム運用は、システムが安定して稼働するように日々、監視や管理をする業務です。未然にシステム障害を防ぐために、マニュアルに沿ってスケジュール通りに作業します。それに対してシステム保守は、故障や不具合などのイレギュラーなトラブルに対応する業務です。正常に稼働しなくなったシステムの修理・復旧につとめ、「メンテナンス」とも呼ばれます。

システム運用の業務内容

現場によって多少異なりますが、以下の4つがシステム運用の代表的な業務です。

  • 稼働状況の監視
  • データのバックアップ
  • 運用の改善、マニュアル化
  • 情報の管理

稼働状況の監視

システムが正常に稼働しているかを監視するのが、システム運用の日常業務です。たとえば、ネットワークの場合は回線にトラブルがないか、サーバーの場合はメモリーやCPUの使用状況などを監視ソフトで確認し、機器の稼働状況を目視でもチェックします。

システム運用ではセキュリティの監視も行っており、万が一ウイルスや不正アクセスがあった場合には速やかに対処します。

システム異常がいつ発生するか事前にはわかりません。システム運用はこのような業務を定期的・継続的に行うことで、トラブルを未然に防ぎ、システムにとって最適な状態を維持します。

データバックアップ

定期的にデータをバックアップし、管理するのもシステム運用の業務です。バックアップは、トラブル発生時にいち早くデータを復旧させるために行われます。

バックアップ方法はマニュアルで定められており、スケジュールと範囲も事前に決められ、すべて計画通りに実施されます。そして、バックアップされたデータはリスクを考え、分散して管理します。

運用の改善、マニュアル化

システム運用ではマニュアルに沿って業務を遂行することで、変化に気づきやすくさせて、同時に業務の効率化を図ります。そのため、定期的に運用方法を見直し、マニュアルをブラッシュアップするのもシステム運用の大切な業務のひとつです。

たとえば、クライアントからのヒアリング結果や日々の気づきなどから、既存マニュアルの改善点を提案してマニュアルを修正し、今後の業務にいかします。

このような改善・修正を繰り返すことで、業務の効率化を図りつつ、稼働システムの想定外のトラブルを防ぎます。

情報の管理

システム運用は、システムの安定稼働に関わるさまざまな情報を管理するのも仕事です。具体的にはID、パスワードなどのセキュリティ情報の管理、ネットワーク情報の管理、サーバーやPCなどのIT資産に関する情報管理などです。

もし、システムに不具合が起きた場合、これらの情報を管理していないと原因究明に多くの時間を要してしまい、その結果、ほかの業務にも影響を及ぼしかねません。そこでシステム運用によって日常的にさまざまな情報を管理しておくことで、不測の事態が起きた際にスムーズな対応ができます。

システム保守の業務内容

システム保守の業務は、起きてしまった故障や不具合などに対応することです。また、再発防止のためにシステムに変更を加えることも大切な業務です。具体的な業務としては以下のようなものが挙げられます。

  • システムの不具合や故障の原因究明
  • ハードウェア障害時の故障部品の交換
  • システム障害の復旧作業  など

システム障害が起こった際に不具合の箇所を特定し、迅速に復旧作業を行うためには、システムに対する深い知識や理解が不可欠なため、システム保守は専門性の高い仕事です。そのため、自社でシステム保守を行うとなると人材の確保が難しく、仮に人員が確保できたとしても人件費や維持費、システム保守に必要な機器の購入費・管理費など、多くの費用がかかります。さらに専任の従業員を育成するとなると、より膨大な時間とコストが必要です。

このような理由から、企業では製品メーカーによる保守サービスに入るケースが多いです。

システム保守のハードウェア部分は第三者保守におまかせ

メーカーによる保守サポートは、自社でシステム保守を行うよりもコストが抑えられることが多く、手間も省けますが、いつまでも利用できるわけではありません。メーカー保守は機器によって保守期間が決まっており、その期間を過ぎるとメーカーからの保守サポートを受けられなくなってしまいます。そのため、メーカーでは保守期限が過ぎる前に最新の機器に置き換えることを企業に促しますが、「ほかの機器の更新にあわせて移行したい」「新機器の交換に費用がかかるため、もう少しだけ今の機器を継続利用したい」などの理由から、メーカー保守終了に合わせた機器の買い替えが難しい場合もあります。

しかし、メーカーの保守期間切れの機器を使い続けるとなると、さまざまなリスクが生じます。そこでメーカー以外の第三者が保守サポートを行う「第三者保守」を利用することで、既存システムを継続的に利用でき、業務に支障をきたすようなトラブルを回避できます。ここでは、第三者保守の概要と利用するメリットについて解説します。

第三者保守とは

第三者保守とはメーカー以外の専門企業が保守サポートを行うことです。IT関連の機器は更新サイクルが速く、メーカーによる保守サポートが数年で終了することが珍しくありません。メーカーの保守サポートが終了した機器は、万が一故障した場合、不具合の原因究明から故障部品と交換する部品の調達、交換作業までを自社で行わねばならず、コスト的にもリソース的にも容易ではありません。

しかし、第三者保守を利用することで、メーカーによる保守期間が切れた機器が万が一故障や不具合を起こしても柔軟に対応してもらえ、次のシステム更改まで安心して既存システムが使えます。

第三者保守のメリット

第三者保守を利用することで企業が受ける代表的なメリットは以下の3つです。

  • コストの削減ができる
  • システム維持の負荷軽減ができる
  • 機器の置き換えのタイミングが調整できる    

第三者保守を利用するメリットとしてまず挙げられるのが、コストの削減です。第三者保守を利用して既存製品の稼働期間を延長することで、システム移行の回数が減らせる可能性が高く、コスト削減に役立ちます。

また、メーカーの保守サポートが終了した機器に不具合などが生じても、メーカーは交換や修理といった対応をしてくれません。だからといって、自社でシステム保守のための人員や備品を確保するのは困難です。しかし、第三者保守を利用すれば自社負担が少なく、貴重な人的リソースを本来の事業に投資することも可能です。

さらに、メーカーによる保守サポートが終了したからと、どの企業も簡単にシステム更改ができるわけではありません。実際には製品の選定や導入設定が必要になるため、新しい機器が使えるまでには時間がかかります。場合によっては、新機種が既存のソフトウェアに対応しておらず、すぐに交換するのが難しいということもあります。このような場合に、第三者保守なら置き換えのタイミングが調節でき、製品選びや設定の失敗などのトラブルも防げます。

関連記事:第三者保守とは

まとめ

システム運用保守はシステムの安定稼働を目的とした業務のことですが、システム運用とシステム保守では業務内容が異なります。システム運用は主にトラブル予防のための定期的なオペレーション業務に対し、システム保守は突発的な故障や不具合の復旧作業などのメンテナンス業務です。

特にシステム保守は、迅速な原因の特定やさまざまな箇所の修復・改善を行うため、自社でシステム保守を行う場合、スキルの高い人材の確保が必要でコストもかかります。そのため、メーカーによる保守サービスを利用する企業が多いですが、保守サービスを受けられる期間は短く、期限が切れた後は故障リスクが高くなるため、注意が必要です。

そこでおすすめなのが「第三者保守」です。第三者保守を利用することで、メーカーのサポートが終了した機器を継続利用でき、コスト削減も期待できます。

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