ITライフサイクルとは? LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの重要性

 2022.04.14  株式会社エスエーティ

利益率を向上するためには、いかにして売上高を最大化しつつコストを最小化するかが課題となります。そこで重要な役割を担うのがITライフサイクルの最適化です。本記事では、ITライフサイクルの概要や重要性について解説します。

ITライフサイクルとは? LCM(ライフサイクルマネジメント)サービスの重要性

ITライフサイクルとは

ITライフサイクルとは、ITシステムの企画・設計・開発・導入・運用・廃棄という一連のサイクルを指します。ライフサイクルという言葉は、生物の誕生から死に至るまでの流れを表現したものであり、それをITシステムの企画から廃棄に至る一連のプロセスになぞらえた概念がITライフサイクルです。デジタル化の進展に伴ってその重要性が高まっており、ITライフサイクルの最適化に取り組む企業が増加傾向にあります。

ITライフサイクルの健全化が求められる理由

業務に導入しているシステムにおいて、ITライフサイクルに問題が生じていると、企業は大きな負担を抱えることになります。レガシーシステムを長く使用しているケースでは、故障やシステム障害などが発生する不安を抱える場合があり、複数のシステムを組み合わせた大規模なシステムを使用しているとシステムの管理が複雑になる場合があります。
業務効率化を目的としてITを活用していたとしても、その管理コストが大きいと、かえって業務への負担やコスト面での問題が生じるかもしれません。システムのリプレースや機器の買い替えなどに際して、ITライフサイクルによる管理が健全化された場合は、業務効率アップやセキュリティ向上が期待できます。

Step1. 設計

IITライフサイクルの健全化には、適切なシステムの設計が必要です。システム設計は、主に「要件定義」を行ったのち、「基本設計」「詳細設計」の順に実施します。

要件定義

ITライフサイクルの管理がしやすいシステムを設計するには、最初にシステム設計の要件定義を行う必要があります。要件定義は、実際にシステムを運用する従業員からのヒアリングを行い、必要な機能や解決すべき課題、開発期間、運用方法などの要望を洗い出すことから始めます。
次に、ヒアリング内容に対して開発者側が技術的な問題や予算、納期などから実現可能な範囲を洗い出し、開発者と使用者の双方でそれぞれ検討します。その後、決定したシステムの機能や要件を詳しく記載した「要件定義書」を作成します。

設計

要件定義の決定後は、それをもとに設計を行っていきます。設計は、「基本設計」→「詳細設計」の順に行います。
「基本設計」は、機能や性能、構成など、要件定義で決定した内容からシステムの基本部分を設計する段階です。主にユーザーインターフェースや他システムとの連携、運用規定、スケジュール、費用といった部分を決め、「基本設計書」や「結合テスト仕様書」を作成します。
「詳細設計」は、基本設計をもとにシステムの仕様や動作などの詳細部分を設計する段階です。設定した内容やパラメータなど、ユーザーではなくシステムの開発者側に必要な情報をまとめて設計を行い、「詳細設計書」「パラメータシート」を作成します。

Step2. 構築

システム設計の次に、システム構築を行います。まず機器に対する「検品」「キッティング」を実施し、スムーズにシステムを稼働できるように環境を整備します。

検品

システム構築に必要なハードウエアが入荷した際には、検品を行う必要があります。「届いた製品が注文書と異なっていないか」「初期不良がないか」などを確認します。問題が発生した場合でも、早めに気づいて製品の交換や再発注などの対応を迅速に取ることで、スケジュールへの影響を最小限に抑えられます。

キッティング

キッティングは、ハードウエアの接続やセットアップなどを行い、すぐに使える状態にすることです。この工程は、周辺機器やネットワークとの接続、業務アプリケーションのインストールなどを行います。
この作業が適切に行われなかった場合、「端末の使用ができない」「動作に不具合が生じる」などの問題が生じるかもしれません。セキュリティ対策が不十分になるケースもあるため、専門知識を持った担当者が作業を行う必要があります。端末の台数が多いケースでは、複数の端末をまとめて設定する必要があるため、作業負担が大きくなります。

Step3. 運用・保守

システムを構築した後、実際にシステムを稼働していくためには運用・保守業務を行う必要があります。「運用」はシステムを安定的に稼働させるための作業を指します。「保守」はシステムの変更や更新、改良、不具合の修正などが当てはまります。情報管理や監視を通じて適切なシステムの運用状態を維持し、またインシデント発生時には迅速な復旧対応を行うことで、安定的な業務の継続を可能にします。

情報管理

企業運営においては顧客情報や機密情報など重要な情報を取り扱うため、情報管理は非常に重要度の高い業務です。情報の流出や不正アクセスを防ぐためのセキュリティ対策は必須といえるでしょう。また、紛失したり誤って消去したりしてしまう事態に備え、データのバックアップを取る必要があります。ストレージの破損や電力系統の不具合などによるデータ消失も想定されるため、物理的な設備の管理も情報管理の一環です。

インシデント発生時の復旧対応

インシデント発生時には、即座に分析や復旧などの対応を取る必要があります。第三者からのサイバー攻撃や自然災害によるデータ消失など、思いがけないインシデントの発生に備えることが大切です。インシデント発生に備えた対応策を構築していれば、万が一トラブルが発生した際でも被害を最小限に抑える迅速な対応が可能になります。

Step4. 廃棄

ITライフサイクルの最終段階に当てはまるのが、使用を終えたハードウエアの廃棄です。
既存システムの稼働を終了する際には新システムへの移行を検討する必要があります。システム移行を検討する大きな要因として、利用している機器のEOSL(メーカーサポートの終了)が挙げられます。稼働している機器がメーカーから保守部品の共有やサポートが受けられなくなった場合、機器にトラブルが発生したとしても復旧が困難になるかもしれません。このようなトラブルが発生する前に、不安の残る既存システムから安定して稼働できるシステムへの移行を検討するケースが一般的です。
新システムの導入には、要件定義から設計、構築、運用と、新たにITライフサイクルの段階を進めていきます。

データやファイルの消去

新システムへの移行が完了すると、これまで使用していた古いシステムは廃棄が必要になります。ただし企業で使用していたシステムには機密データが残っている可能性があるため、そのまま捨てることは適切ではありません。データを削除したとしても、専用のソフトウエアを使うと復元される恐れがあります。企業の顧客情報や新製品、会計情報などの重要なデータがある場合には、廃棄前に確実に消去しなければなりません。

第三者保守による延命で廃棄のタイミングを自分で選べる

一般的にはシステムが寿命を迎えたらすぐに新システムに移行しますが、既存システムの保守期間までに移行したい場合でも、リソースの問題やハードウエアの納品遅れなどの問題から順調に進まないケースがあるかもしれません。また、スケジュールの遅れによってメーカーサポートが受けられない状況に陥るリスクもあります。
そのような場合、メーカー以外の業者による「第三者保守(延命保守)」を利用することでスケジュールに余裕を持って次のシステムに移行する方法もあります。機器のサポート期間内での移行が難しいケースでも、システム移行スケジュール期間に合わせて保守サービスを受けることが可能です。第三者保守を活用することで、企業が希望するタイミングでのシステム更改が可能になるため、ITライフサイクルマネジメントを維持できるでしょう。

まとめ

ITライフサイクルとは、業務に使用するシステムにおいて、設計から構築、運用保守、廃棄に至るまでの一連の流れを指す言葉です。新システムへの移行は、EOSL(メーカーサポートの終了)を考慮しながら新システムの構築や移行手順を行う必要があります。しかし、事情によりサポート期間内での移行が難しいケースでは、第三者保守を利用して移行を進める方法があります。この場合、企業の望むタイミングを選んで無理のない移行が可能になり、ITライフサイクルの管理が維持できるでしょう。

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