サーバーやネットワーク機器などのハードウェアは、メーカーサポートが終了しても利用することは可能です。しかし、保守サポートなしでの製品の継続使用は、さまざまなリスクを招きます。本記事では、メーカーサポートの概要や、サポート切れのまま使い続けるとどうなるのかといったことに加え、リスクを最小限に抑えるヒントなどを解説します。
そもそもメーカーサポートとは?
メーカーサポートが終了したハードウェアを使用し続けるリスクを解説する前に、まずはメーカーサポートとはどのようなものなのかを把握しましょう。ここでは、メーカーサポートの例も併せて紹介します。
メーカーサポートとは?
メーカーサポートとは、製品の開発や製造を行うメーカーが、製品購入後の顧客に提供するサポートを指します。ノートパソコンやプリンター、テレビ、冷蔵庫、エアコン、ゲーム機など、多様な製品の製造・販売を行うメーカーがこのようなサポートを提供しています。
なお、メーカーサポートを永久に受けられることは少なく、期限を設けているケースが一般的です。期間が終了しても製品やサービスそのものは利用できますが、サポートは受けられません。それによってどのようなリスクが生じるのかは、後ほど詳しく解説します。
メーカーサポートの例
一般的なメーカーサポートとして、製品の使い方や不明点をサポートセンターへ問い合わせられるサービスが挙げられます。たとえば、パソコンが起動しない、OSをバージョンアップする方法がわからない、といった問題をメーカーへ問い合わせすると、オペレーターが解決方法を提示してくれるのです。
また、保守サービスもメーカーサポートに含まれます。パソコンが壊れた、不具合が発生している、といった場合に修理、メンテナンスといった対応をしてもらえます。
細かいサポート内容は、各メーカーによって異なるため、事前の確認が必須です。また、無償で受けられるものもあれば、有償サポートがあることも覚えておきましょう。
混同しやすい言葉EOS、EOE、EOL、EOSL
企業が利用するサーバー、ストレージ、ネットワーク機器などのハードウェアに関してもサポート期間内であればメーカーサポートを受けることができます。
メーカーは通常、販売する製品に対してサポート提供期間を定めており、製品販売の提供やサポートが終了になる日を事前にユーザーに対して告知していますが、その際に使われるのがEOS、EOE、EOL、EOSLといった用語です。
まずEOS(End Of Sales)は通常、販売終了を指します。この日を過ぎると対象の製品やサービスの販売は行われません。
EOEはEnd Of Engineeringのことで、技術的なサポートの終了を意味し、主にソフトウェアにおいてバグ修正や新機能のアップデートが終了する日として使われます。
EOLは、End Of Lifeの略であり、製品のサポートの終了を意味します。EOSLは、End Of Service Lifeのことであり、サポートの終了を意味しEOLとほぼ同義で利用されますが、特にハードウェアのサポート終了を指す場合にはEOSLが使用されることが多いです。
メーカーサポートが終了したハードウェアを使い続けるとどうなる?
サーバーやネットワーク機器などのハードウェアは、メーカーサポートが終了しても使用は続けられます。しかし、サポートが終了したハードウェアを使い続けると、以下のようなリスクを招くおそれがあるため注意しなくてはなりません。
故障時、事業継続が危うくなる
メーカーサポートが終了すると、保守サービスを受けられません。そのため、ハードウェアが故障して使えなくなっても、保守サービスを受けられず自ら対処しなくてはならないのです。
ハードウェアの故障に伴い、事業継続が危うくなるリスクが考えられます。たとえば、業務で使用しているハードウェアが故障してしまうと、通常業務ができなくなるかもしれません。
取引先や顧客にメールを送れない、重要なデータを取り出せなくなる、といったトラブルが生じるおそれがあります。また、顧客へサービス提供をしているシステムのハードウェアが故障した場合には顧客の事業にまで影響を及ぼす可能性もあります。その結果、取引先や顧客の信頼を失ってしまい、事業継続が危うくなる可能性があるのです。
アップデートが行われない
OSやソフトウェアのサポートが終了すると、修正パッチや新たなバージョンの提供が行われません。アップデートが行われないため、新たな機能の追加や仕様変更なども行えず、業務に支障をきたすおそれがあります。
アップデートが行われないと、旧バージョンのまま使用し続けることになるため、セキュリティリスクも発生します。万が一、プログラムに脆弱性が存在していると、そこを狙ったサイバー攻撃も受けかねません。
このような、プログラムの脆弱性を狙ったサイバー攻撃は多く、あらゆる企業が攻撃対象になるおそれがあります。攻撃を受けた結果、顧客情報や自社のノウハウなどが流出し、致命的なダメージを負ってしまうかもしれません。
「第三者保守」でメーカーサポート終了後のリスクを最小限に
メーカーサポート終了後もハードウェアやソフトウェアを使い続けると、さまざまなリスクを招きますが、第三者保守の利用でリスクを最小限にできます。以下、第三者保守の概要や利用するメリットを解説します。
第三者保守とは?
第三者保守とは、メーカーではない専門企業が保守サービスを行うことを指します。専門性の高い企業であれば、不具合の発生などにも適切に対応してもらえるため、業務が滞る心配もありません。
サポートが終了した製品は、メーカーに修理を依頼しても断られるケースがほとんどです。一方、第三者保守であれば、柔軟に対応できます。
ただ、製品の開発に携わったメーカーではないため、セキュリティパッチや新バージョンのご提供はできませんのでご理解ください。
導入するメリット
第三者保守サービスの導入により、メーカーサポートが終了した製品でも安心して利用できるのがメリットです。万が一、故障や不具合が発生しても適切な対応できます。
メーカーサポートの終了に伴い、新たなハードウェアに買い替えるのはひとつの手です。ただ、予算や移行スケジュールの関係で製品を継続して使用したい、といった方も中にはいるでしょう。第三者保守を利用すれば、使い慣れた製品を新たに買い替える必要がなく、継続して使用できます。
新たなハードウェアに買い替える場合でも、サポートが終了していると入れ替えが終了するまでの間、故障の際のサポートがメーカーから受けられず大きな運用リスクを招くおそれがあります。しかし、第三者保守を導入していれば、新製品への移行までのつなぎとなり、安心して利用できます。
まとめ
メーカーサポートが終了したハードウェアを使い続けると、ハードウェアが故障しても保守サービスを受けられず、業務に支障をきたした挙句、事業継続が危うくなる可能性もあるため注意が必要です。
メーカーサポートが終了しても、第三者保守を利用すれば安心してハードウェアの使用を継続できます。新システムへの移行を検討する場合でも、その間のつなぎとして利用できるため、第三者保守の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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