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ストレージとは? 用途や種類・形態から寿命や保守についてまで解説

作成者: 株式会社エスエーティ|2022.11.10

PCやスマートフォンなどに不可欠なストレージ。よく耳にするものの、具体的にどのような役割や種類があるのかを把握していない方も多いのではないでしょうか。本記事では、ストレージの概要や用途、種類、方式などについて解説します。

ストレージとは

ストレージとは、プログラムやデータを長期にわたり保存、管理するための記憶装置を指します。また、保存や管理だけでなく、複数でデータを共有する、端末から呼び出すといったことも可能です。

たとえば、PCで何らかのデータをダウンロードし、保存したとします。このとき使用されるのがストレージです。ここにデータを格納することで、いつでも必要に応じて呼び出せます。

近年では、オンラインストレージを利用する個人や企業も増えてきました。こちらは、物理デバイスに搭載されているのではなく、クラウド上にデータの格納スペースが存在します。

ストレージの種類

ストレージの種類としては、PCに搭載されているHDDやSSDなどがよく知られています。ほかにも、USBや光ディスクなどの外部ストレージ、長期保存に適している磁気テープなどがあります。

HDD

HDD(ハードディスクドライブ)は、磁気ヘッドを用いて磁気ディスクにデータを記憶する装置です。高速で回転する円盤に磁気ヘッドが干渉し、データの記憶や呼び出しを行います。

HDDのメリットは記憶容量の大きさです。大容量を実現している製品も多く、膨大なデータの保存にも適しています。また、後述するSSDに比べて安価な製品が多いのもメリットです。

一方、衝撃や熱などへの耐性が低いデメリットがあるため、注意が必要です。そのため、強い衝撃を与えると大切なデータが消失してしまうおそれがあります。

SSD

SSD(ソリッドステートドライブ)は、半導体メモリを用いた記憶装置です。データの保存場所だけでなく、各種プログラムやOSなどのインストール先としても用いられます。

SSDのメリットとして、静音性が挙げられます。HDDに比べて稼働時の音が少ないため、静かな環境で快適に利用できる点が魅力です。また、処理のスピードが速いためスピーディーにデータを抽出でき、ストレスフリーで利用できます。

一方、コストは高めであるため注意が必要です。また、HDDに比べて記憶容量が少ない、寿命が短いなどのデメリットもあります。

ハイブリッドストレージとオールフラッシュストレージ

ハイブリッドストレージは、HDDとSSDのよいところを組み合わせた、ハイブリッドタイプのストレージ機器です。HDDの魅力である大容量の記憶領域に膨大なデータを保存でき、SSDの特徴である高速処理でストレスのない処理を実行できます。

オールフラッシュストレージは、記憶装置にフラッシュメモリのみを用いたストレージ機器です。フラッシュメモリを用いたSSDなどを複数連結したもので、データへのアクセススピードが速い点がメリットです。

USB

USBメモリは、フラッシュメモリを利用した記憶装置です。PCなどのUSBポートへ接続することで、データの転送や記憶などを行えます。

USBメモリのメリットは、手軽に持ち運びできる点です。基本的にコンパクトな設計であるため持ち運びしやすく、携帯性に優れています。また、面倒な設定が必要なく、比較的衝撃に強いのもメリットです。

一方、手軽に持ち運びできることから、紛失のリスクがつきまといます。外出先に忘れてしまい、その結果情報漏えいを招くといったリスクも排除しきれません。また、マルウェアに感染したデバイスへ接続すると、USBメモリにも感染してしまうおそれがあります。

光ディスク

レーザー光を用いてデータの記憶や読み込みなどを行うストレージです。CDやDVD、ブルーレイディスクなどが該当します。

光ディスクの魅力は、データを安全に管理できる点です。水にも強いため、たとえ水が短時間付着しても壊れたりデータが破損したりしにくいという特徴があります。また、衝撃や静電気などに強いほか、1枚あたりのコストが低いのも魅力です。

一方、容量はそれほど大きくないため、膨大なデータを記憶するのには適していません。また、精密機械ではないため衝撃には強いものの、ディスク表面は傷がつきやすいため注意が必要です。傷が多くついてしまうと、レーザーが正しく作用せず読み取りエラーを起こしてしまいます。

磁気テープ

磁気テープは、テープ状の記憶媒体であり、ビデオテープや音楽のカセットテープなどに用いられていました。仕組みそのものはアナログであるものの、低コストで運用できるうえに大容量のデータ保存にも適しています。

寿命が長いのもメリットです。フラッシュメモリやHDDなどはそれほど寿命が長くありませんが、磁気テープは30~50年、もしくはそれ以上の保存が可能です。そのため、大切なデータを長期にわたり保存したいシーンでの活用に適しています。

また、セキュリティリスクが低いのも魅力です。保存時にはネットワークから完全に切り離されるため、サイバー攻撃による情報漏えいや改ざんなどのリスクを回避できます。

ストレージの設置形態

ストレージの設置形態としては、デバイスに内蔵される内部ストレージのほか、端末に後付けする外部ストレージがあります。また、クラウド上の記憶スペースを利用するオンラインストレージも存在します。

内部

端末に内蔵されているタイプです。SDカードなどを使用しないスマートフォンであっても、撮影した写真をデータとして保存できるのは内部ストレージのおかげです。

PCには、HDDやSSDが記憶装置として内蔵されています。従来はHDD搭載型の機種が多くを占めていたものの、現在では高速処理が可能なSSD搭載モデルが主流となりつつあります。

内蔵されているストレージの容量アップや交換なども可能です。ただ、知識や技術がないと分解した端末を元に戻せなくなる、何らかのトラブルが発生するといったリスクが考えられるため、セルフで実行するのはおすすめしません。

外部

デバイスに後付けできるタイプです。内部ストレージの容量が足りなくなっても、後付けできる記憶装置を利用することで、従来通りデータの保存を行えます。

外付けタイプのHDDやSSDをはじめ、USBメモリやSDカードなどが該当します。端末への脱着が自由であるため、保存したデータを別の端末へ移行させるといったことも容易です。

一方、セキュリティリスクの高まりを招くおそれがあるため、そこは注意しなくてはなりません。盗難や紛失などにより情報が外部に漏れる懸念もあるため、適切な運用が求められます。

オンライン(クラウド)

クラウド上の記憶スペースを用いるタイプです。端末に記憶装置が搭載されておらずとも、インターネット接続できる環境が整っていれば、オンラインでアクセスしデータを保存できます。

必要に応じてどこからでもアクセスできる点が魅力です。たとえば、外出先でデータが必要になったとき、インターネット接続できる端末があれば、速やかにストレージへアクセスしてデータを取得できます。

また、データの共有をしやすいのもメリットです。アクセス権限さえあればストレージにアクセスできるため、チームのメンバーや関係者とも容易に情報共有を行えます。

デメリットとしては、カスタマイズ性の低さが挙げられます。サービス提供元の仕様をそのまま使用しなくてはならず、自社で自由に拡張などができません。また、障害が発生した場合データへアクセスできなくなるリスクもあります。

ニアライン

オンラインストレージと関わりがある記憶装置として、ニアラインが挙げられます。オンラインとオフラインの間に位置する点が特徴です。

容量も大きいため、膨大なデータの保存にも適しています。また、大容量のデータを扱えるにもかかわらず、比較的低コストで導入できる点も魅力です。

ストレージの接続形態

ストレージの接続形態には、サーバーへダイレクトに接続するDASやネットワークにつなぐNASなどのほか、専用ネットワークに接続するSANがあります。

DAS

DAS(Direct Attached Storage)は、サーバーへダイレクトに接続するタイプです。古くから用いられてきた接続形態の一種であり、導入にあたって専門的な知識や技術を要しない点がメリットです。

増設も容易であるため、容量の使用状況に応じてカスタマイズできます。また、導入コストも低いため、できるだけコストを抑えたい企業に適しています。一方、データが散在しやすい、サーバーのリソースを多く使用する、管理の手間がかかるなどのデメリットがあるため注意が必要です。

NAS

NAS(Network Attached Storage)は、ネットワークに接続するタイプの接続形態です。ファイル共有を想定した利用がメインであり、容易に導入できる点がメリットです。

専門的な知識や技術も必要ありません。設定も簡単であるため導入後スムーズに運用を開始できます。一方、NASの導入によってネットワークの速度が低下するおそれがある点には注意が必要です。回線への負荷が発生することで、速度の低下を招く懸念があります。

SAN

SAN(Storage Area Network)は、構築した専用ネットワークに接続するタイプです。専用に構築したネットワークを使用するためデータへのスピーディーなアクセスが可能で、データの一元管理も実現します。

一方、導入にあたっては高度な専門知識を要します。また、専用の機器を導入しなくてはならないため、コストも高くなりがちです。さらに、導入時には煩雑な設定作業が発生するため、運用開始までの時間が長くなるかもしれません。

SDS

SDS(Software Defined Storage)は、ソフトウェアによってストレージの管理を行う手法を指します。管理の自動化により運用コストの削減が可能であるほか、さまざまなインターフェースへ対応できる点が特徴です。

また、拡張性にも優れています。記憶領域の拡張や追加などへの柔軟性が高く、運用状況に応じてカスタマイズできます。また、常時モニタリングが可能であるため、システム利用状況のリアルタイムな把握が可能です。

ストレージの方式

ストレージの方式には、ブロック単位でデータを保存するブロックストレージや、ディレクトリ形式で保存するファイルストレージ、オブジェクト単位で扱うオブジェクトストレージなどがあります。

ブロックストレージ

ブロックストレージは、記憶領域から分けられたボリュームと呼ばれる単位を、さらにブロックに分けてデータを保存する点が特徴です。ボリュームとブロックそれぞれに割り当てられた番号があり、それを元にデータの呼び出しを行います。

スピーディーにデータの取得や保存などを行える点がメリットです。一方、非構造化データの管理には適さない、価格が高くなりがちなどのデメリットがあります。

ファイルストレージ

ファイルストレージは、データをフォルダやディレクトリ形式にして、階層構造で保存する方式です。データへのアクセスにはパスが用いられ、保存時にはメタデータが付与されます。

階層構造でデータが保存されているため、管理が容易である点がメリットです。ただ、これはあくまで中小規模のデータに限られており、大規模なデータの管理には適していません。

オブジェクトストレージ

オブジェクトストレージは、近年注目を集めているストレージ基盤です。オブジェクト単位でデータを扱い、それぞれのデータにはIDやメタデータが付与されます。

拡張性の高さが大きな魅力です。フラットな形式でデータを扱うためディレクトリサイズの影響を受けず、優れた拡張性を発揮します。また、IDをデータに紐づけているため検索性に優れ、スピーディーに求めるデータを取得できます。

ストレージ機器には保守が必要

故障時のリスクを回避するため、ストレージ機器には適切な保守が必要です。保守とは、トラブル時の対応や修理、物理的な機器や部品の交換などが該当します。

企業がストレージ機器を購入する際にはメーカーの保守をつけるのが一般的ですが、基本的に永久ではありません。ほとんどのケースにおいて保守の期間が定められており、それを過ぎると対応してもらえない可能性があります。メーカー保守の期間が切れてしまう場合や、社内で保守対応が難しい場合は第三者保守の利用も検討してみましょう。第三者保守は、メーカーやベンダー以外の第三者に提供してもらう保守サービスです。メーカーの保守期間が過ぎていても、第三者保守を導入していればトラブル時にも速やかに対応してもらえます。

ストレージの障害は長期化しやすい

サーバー障害と比べ、ストレージ障害は長引きやすく影響も広範にわたる可能性があります。ストレージに障害が発生した場合、記憶装置そのものの修理や交換だけではなく、データの復元も必要となる場合があるためです。障害が長引くとそのあいだ通常業務を遂行できなくなり、顧客や取引先などへも迷惑をかけてしまうおそれがあります。

また、企業にとってデータは大切な資産です。顧客情報や組織にとって重要なノウハウなど、大切なデータを万が一失ってしまうと、どれほどの損失が生じるのかは計り知れません。ノウハウの消失によって、競合に市場での優位性を奪われるといったことも考えられます。

ストレージの保守なら第三者保守がおすすめ

ストレージに不具合が生じると、ときに大きなダメージを負いかねません。業務が一時的にストップたり、最悪の場合、重要なデータを失い事業の継続すら危うくなるリスクもあります。メーカー保守の期間が切れてしまう場合や社内で保守対応が難しい場合は、第三者保守の利用も検討してみてはいかがでしょうか。

第三者保守であれば、メーカーの保守期限が過ぎたあとも保守サービスを受けられます。「何かあったときに保守を受けられるか分からない」と不安を抱きながらシステムを利用することもなくなり、安心して運用を行えます。

メーカーの保守切れによって、ストレージやITインフラなどを入れ替えるとなると、相当な費用が発生します。一方、第三者保守を利用すれば、メーカー保守が切れた機器の延命ができ、高額な出費を回避できます。

また、保守契約を一元管理できるメリットもあります。コンピューターやサーバー、ストレージなどをすべて第三者保守にすれば、契約の管理が容易です。

まとめ

ストレージにはさまざまな種類があり、接続形態や方式などもそれぞれ異なります。また、ストレージ機器がトラブルに見舞われると、大切なデータの消失にもつながりかねないため、適切な保守が求められます。

メーカーの保守期限が切れたあとも継続的な保守を受けたいのであれば、第三者保守の利用を検討してみましょう。SATの第三者保守であれば、45以上のメーカーに対応しており日本全国での保守実績があります。また、24時間365日体制で対応可能であるため、トラブルの速やかな解決が可能です。

経験豊富なエンジニアが多数在籍しているのも特徴です。多様な保守対応を経験してきたエンジニアが対応にあたるため、迅速かつ確実に各種トラブルをサポートします。

さまざまな業界の企業との取引実績も豊富な、SATが提供する第三者保守をこの機会にぜひご検討ください。